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<注意>
この作品は、『終わり』の時を描いています
AH的な展開ではありません、完全管理人の妄想です
『終わり』という瞬間が嫌な方、苦手な方はご覧になられませんようご注意ください
『何が何でも 愛する者を守り抜く !!』
あの台詞を言ってからもう、あれからどれくらい時間がたったのか
おそらくもうかなりの時間がたっているはずなのに
つい先日言ったように、あの台詞、あの時の状況だけはやたらはっきり覚えている
海坊主の結婚式が俺のせいでめちゃくちゃになっちまった・・・つーのはもちろんあるが
それ以上に、長年隠し通してきた自分の想いを初めてキチンと香に伝えられたから、という理由が一番大きいんだろうな
けど、ま・・・・結局俺たちは俺たちで
普通のやつらなら当たり前にできるようなことがなかなかできず
紆余曲折しながら、周囲をヤキモキさせてきた
ま、最終的には俺たち二人が普通よりもゆっくりとしたペースで進んでたってだけの話なんだが・・・・
「ほん・・・・っと、俺もお前も・・・・似たもの同士だったからなぁ
けどま、周囲に翻弄されてたのは断然おまぁの方だったことは確かだな、うん」
普段じゃ他人に介入することなんざしない裏の同業者たちが
ここぞとばかりにおせっかいを働いてきやがって
俺は俺で適当にスルーできても、おまぁはいつまでたっても慣れなかったよなぁ
一瞬慣れてきたか?と思えば、さらにからかわれて、結局は振り出しに戻るつー・・・
単純というか、なんというか・・・それがおまぁらしいっていえばそれまでなんだろうが
もうちょっとその手のことに関しては上達してもよかったんでないの?
タコと一緒に毎回毎回顔を真っ赤にしてやがって
たまに美樹ちゃんと二人で話してる時ですら、顔を真っ赤にしてまごついてたんだろ?
あ、もちろんそんな場面見てねぇよ。簡単に想像がつくだけ
ころころと表情を変えて
笑って
怒って
泣いて
喜んで
一瞬だって目が離せたためしがない・・・
女らしい表情をしたかと思えば、100tハンマーでぶん殴ってくる女なんて滅多にいねぇし
がさつで、乱暴なくせに妙に家庭的とか・・・なんだよそのギャップは、反則技すぎんだろうが
「本当に・・・・・・おまぁは、いつまでたってもガキで単純で、じゃじゃ馬でしょうがねぇヤツだったけどさ」
「誰よりも、俺を幸せにしてくれるヤツだったよ・・・・・香」
相変わらず真っ白な・・・・けれど、すっかり細く皴皴になっちまった手を握りしめ呟く
そんな皴皴の手を握りしめる俺の手も、負けずおとらず皴皴で
万年ハタチ!!と未だに言ってるが、どう見ても外見はジジィの部類になっちまった
自分の正確な年齢なんざわかりゃしないが・・・・・・・もう、随分と長生きしちまったよなぁ
本当ならとっくに死んでたはずの俺が、こんなジジィになるまで生きれたなんてなぁ・・・・
ベッドの上で長い、長い眠りについたパートナー
最後の最後の瞬間まで笑ってたコイツはやっぱりすげぇヤツで
「先にあっちで待ってるからね、アンタも適当なところでこないと、ハンマーだから」なんて言いやがった
「こっちがどんな気持ちかわかってんのか!」とか「なぁに勝手なこと言ってんだ!!」なんて文句すら飲み込ませるほど
香はきれいな笑みを浮かべやがった・・・・だから
「さよなら・・・・・なんて、絶対にいわねぇからな」
俺が行く場所なんざ、地獄に決まってるが
地獄の門をくぐる前に、もしお前が待っててくれるなら
地獄つー場所も、悪くはない
もしも、そこでも出会えなければ
次、生まれてくるときに・・・・また、おまぁと会えばいい
いや、絶対に見つけてみせるさ
あの路地裏で腰を抜かしたシュガーボーイのように
男と間違えられて怒り狂ってるときのように
俺が、おまぁを見つけてやる
絶対に、見つけてやる
だから、だから、今は・・・・・ほんの少しだけ
短い『サヨナラ』を・・・・・
白髪交じりのくせっ毛に触れながら
俺はそっと、香のしわしわの額にそっと口づけた
fin
「さよならなんて言わせない」 song by B'/z
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