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「・・・・ったく、コイツは毎度毎度・・・懲りるつー言葉を知らんのかねぇ?」
朝食の準備や家事をしようとしたときに発見したソレに
香は盛大なため息を吐き出した
まだまだ朝は凍えるように寒いというのに
普段の薄着のまま冷たい廊下で爆睡している男・・・
(この寒空の下、こんなとこで寝てやがって・・・正真正銘の馬鹿ってヤツね)
「コラッ、僚っ!!起きろっ!!ていうか、寝るにしても自分の部屋へ行けっ!!」
内心呆れつつ、香は思いっきり僚を踏みつける・・・・が
僚は「ぐえっ」というひき蛙のような声をあげただけで
「ぐがーぐごー」という煩いイビキを響かせ、さらに香の眉間に皺を寄せた
「・・・ったく、なんだってコイツはこんなに手間がかかるんだか・・・実際の子供のほうが百倍はマシね」
額に青筋を浮べながら、脳裏で、ハンマーかこんぺいとか、それとも簀巻きか
様々なオシオキを考えながら、香が僚に近づいた瞬間・・・・ふっと香った匂いに足をピタッと止めた
それは、この男から切っても切り離せないもの
普段はタバコのにおいに隠しているソレが・・・・香の鼻腔を刺激する
「決定、コイツは正真正銘の馬鹿野郎だわ・・・」
その匂いに確信に近いものを感じ取り
本日2度目のため息をつくと、香は男の傍にしゃがみこんだ
「・・・・今度はどこで何をやらかしてきたんだか」
長年一緒に住んで、パートナーを組んできているといのに
まだまだ謎が多い男に、香は苦笑すると
香には重い体をなんとか持ち上げ、ひきずるようにしながら
僚を部屋へと運び、ベッドの上へと転がした
「特別大サービスっ今日は起こさないであげるから、感謝しろよ」
毛布を掛け、眠っている男にそう声をかけると
香は僚を起こさぬように部屋を後にしようとした・・・が
「・・・・僚」
ふと足を止め僚が眠るベッドを振り返り・・・
「おかえり」
ポツリとそう呟くと、香は今度こそドアを閉め
パタパタと足音をたてて、階段を駆け下りていた
その音が完全に消える頃・・・・眠っていたはずの僚の目が、ゆっくりと目蓋を持ち上げた
「・・・・・なぁに言ってんだか」
クツクツと喉を鳴らし、嘲りとも微笑ともわからぬ微妙な笑みを浮べながら
腕を目の上に置き・・・・僚は小さく「ただいま」と呟いた
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